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【追悼】 ~ベースを持った渡り鳥~ John Wetton

キング・クリムゾン、U.K.、エイジアなどで活躍したシンガー / ベーシストのJohn Wetton( ジョン・ウェットン,1949年6月12日 - 2017年1月31日 )さんが67歳で亡くなられたそうです。

 

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去年の末に元King Crimsonのメンバーでエイジアの代理を務めたこともある、シンガー / ベーシストのEmerson, Lake & Parmerのグレッグ・レイクも亡くなってしまったし、ウェットンもガンの闘病中とのことでかなり激痩せしてしまっていて心配はしていたんですが。。。

 

モーガル・スラッシュ、ファミリー、ロキシー・ミュージックユーライア・ヒープウィッシュボーン・アッシュ、など様々なバンドを渡り歩き、King Crimsonに加入してからいわゆるプログレッシヴ・ロック系のヴォーカリスト / ベーシストとして注目されました。

 

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その後ウェットンが中心になり、

エディ・ジョブソン ( Keybord / Violin )

アラン・ホールズワース( Guitar )

ビル・ブルーフォード( Drum )

 

と78年に結成したバンドU.K.プログレッシヴ・ロックを踏襲しつつ、各メンバーの素晴らしい演奏とジョンの歌が融合した素晴らしいバンドでした。

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しかし当時はすでにパンク / ニューウェーヴの時代、プログレッシヴ・ロックは過去の遺物のような風潮で商業的な成功は収められませんでした。

そしてプログレというよりジャズ志向だったギターのアラン、ドラムのビルが早々に脱退してしまいます。

 

その後、ドラムにテリー・ボジオが入り、ギターなしの3人で新体制で活動しました。2ndアルバムの「Danger Money」ではコンパクトでポップな曲にも挑戦していてその後のエイジアの片燐が見られます。

 

80年代に入り、

ジェフ・ダウンズ ( Keybord / 元The Buggles, Yes )
スティーヴ・ハウ ( Guitar / 元Yes )
カール・パーマー ( Drums / 元Emerson, Lake & Parmer )

 

70年代にプログレッシヴ・ロックバンドで一時代を築いたメンバー達とスーパー・バンド「ASIA( エイジア )」を結成しました。

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エイジアではプログレの質感を持ったままコンパクトな楽曲、ポップでキャッチーなメロディと爽やかで厚みのあるコーラスというサウンドでファースト・アルバムの『Asia(詠時感〜時へのロマン)』を発表します。

 

一部のプログレッシヴ・ロックのファンからは「産業ロック」などと批判されましたが、この作品は売れに売れて全世界で1500万枚以上の大ヒットを記録したそうです。確かに捨て曲なしの素晴らしい作品です。

 

プログレッシヴ ( Progressive )=進歩的

 

って意味なのにプログレマニアは変化する事よりも様式を求めるんですよね。

 

いち早く時代を先取って新しい手法を提示した彼らはある意味プログレッシヴだったのかもしれません。 

 

スーパー・グループとして大成功を収めたエイジアでしたがその後はありがちなメンバーの確執やセールス不振などで失速し、メンバーが出たり入ったりの空中分解な状態が続きます。

 

セカンドの「Alpha」サード「Astra」も素晴らしい作品でしたが、セールス的に厳しかったそうです。

 

その後エイジアはウエットンは脱退してソロになり、ジョン・ペインがヴォーカル / ベースになりましたが、全く別のバンドでした。

 

2000年代に入り、みんな歳をとって丸くなったのか (笑) ジョンとジェフリーがコラボするようになり、その後オリジナル・メンバーでエイジアの再結成が実現になりました。

 

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来日公演も行われ僕も観に行きましたが、当時の新作アルバムPHOENIXからと1stの『Asia(詠時感〜時へのロマン)』曲全てと各メンバーが前にいたバンドの代表曲をやってくれて最高でしたね。

 

その後はエイジアの活動を継続しつつ、ソロやU.K.での来日公演など精力的に活動していました。

再結成以降は正直全盛期のエイジアの焼き回しみたいな感じですが ( 笑 )、それでいいんです、それがよかったんです。

 

親日家としても知られ、来日も多く、ライブの時のMC

「キミタチ、サイコダヨ!」(君達最高だよ)

はファンの間ではお決まりのセリフでした。

 

ジョン・ウエットンの魅力はプログレッシヴ・ロック、ハードロック、ポップロックAORをベースにしたスタイルで張りのあるメロディアスな歌声とそれを生かした作曲能力だと思います。ベーシストとしても有名ですが、ベース以外にもギター、キーボード、フィドルなど様々な楽器を演奏出来たそうです。

 

 

 

おススメ作品

King Crimson

Red (1974年)

名作「キングクリムゾンの宮殿」とともに最高傑作との呼び声も高い作品です。

全体的にダークで緊張感が漂っているサウンドです。クリムゾン・ファンの間でも屈指のウエットン・ヴォーカルの名曲「Starless」収録。

 

U.K.

 

U.K. ( 憂国の四士 ) (1978年)

Danger Money ( デンジャー・マネー) (1979年)

Night After Night ( ナイト・アフター・ナイト) (1979年)

U.K.はどれもおススメです。プログレ聴きたいって人がいたら僕がまずこのU.K.をおすすめしますね。

4人時代は高度でクールな演奏とウエットンの歌のバランスが素晴らしいです。

3人時代はギターレスになった分、エディ・ジョブソンのキーボード+ヴァイオリンが大活躍しています。曲調もプログレッシヴ・ロックの「次」を模索している感じです。

ライブ作品「ナイト・アフター・ナイト」は日本公演のライブを収録したもの。

 

ASIA

Anthologia ( 2002年 )

ウエットン在籍時のエイジアの80年代の3枚の作品(Asia,Alpha,Astra)+未発表曲のお得な利マスタリング・コンプリート2CDです。これあればエイジアは網羅出来ます。

 

去年くらいから自分の好きなアーティスト / ミュージシャンが亡くなってしまって寂しくなりますね。。。

 

近年もエイジアの相棒、ジェフリー・ダウンズと作業していたみたいですし、活動意欲は旺盛だったそうです。個人的にウェットン氏はプログレッシヴ・ロックのヴォーカリストで一番好きな人かもしれません。

 

素晴らしい音楽と歌声をありがとうございました。どうか安らかに眠ってください。