SOFT BALLETでテクノ/ニューウェーヴ/インダストリアル/EBMに興味を持った僕はまず彼らのルーツを探ることにしました。
なけなしの小遣いでレンタルしたDepech Mode。聴いてみて確かにSOFT BALLETは影響を受けてるな~って思いました。
デイヴ・ガーン (Vocal)
マーティン・ゴア (Synthsizer/Guitar/Vocal/Song Writing)
アンドリュー・フレッチャー(Synthsizer)
過去メンバー
ヴィンス・クラーク (Synthsizer/Song Writing)
後にErasureを結成して現在も活動中。マーティンとVCMGとしても作品を発表。
アラン・ワイルダー (Synthsizer/Keybord/Drums/Arrenge)
Nitzer EBBのプロデュースやRecoil名義で活動
大好きなSOFT BALLETが影響受けたバンドということで僕が夢中になるのにそう時間はかかりませんでした。
元々テクノポップ/ニューウェーヴのブームに乗ったシンセ・ポップ・バンドだったDepeche Modeでしたがリーダー兼メインソングライターのヴィンスが81年のデビュー後に早々に脱退してしまい、バンドは最初の危機を迎えます。しかしそこでマーティン・ゴアの作曲能力が開花して、そこにアラン・ワイルダーが加わり当時最先端だったサンプリングやインダストリアル音響など先鋭的なサウンドを貧欲に取り入れるバンドとなりました。
80年代中盤から90年代初頭にかけてがバンドの全盛期でマーティンの書くダークで繊細な世界観を持つ楽曲とアランの先鋭的なサウンドをデイヴが低音ヴォーカルで歌い上げるというスタイルでした。
後のEBM(Electric Body Music)や90年代以降のナイン・インチ・ネイルズ、マリリン・マンソン、スマッシング・パンプキンズ、リンキンパークをはじめとするオルタナティヴ系のアーティストにも絶大な影響を与えました。
日本ではあんまり人気ないけど海外では同世代のバンド、U2並みの人気がありスタジアムを満杯にするほどのビッグバンドだそうです。
全盛期のステージはマーティン、アンドリュー、アランの楽器隊メンバーがサンプラーのE-mu社のサンプリング・シンセサイザーのイミュレーターなどを黙々と演奏し、ヴォーカルのデイヴだけがノリノリでパフォーマンスするという形態でした。
今でいう原曲とは違うクリエイティヴなリミックスを浸透させたのもこのDepeche Modeでした。
それまでのリミックスというとディスコ向けにインストゥルメンタルパートを長くしただけのという感じでしたが、On Uレーベルを主催するレゲエ/ダブの鬼才、エイドリアン・シャーウッドのリミックスした「People Are People」は原曲とは全く違うアレンジで衝撃でした。
シングルの度にいくつものリミックスを用意するという手法も彼らがパイオニアだったと思います。
80~90年代に全盛を誇った彼らもアラン脱退後ヴォーカルのデイヴのオーヴァードーズで心肺停止して死にかけたり、マーティンのアルコール中毒など色々トラブルがありましたがそれを乗り越えてニューウェーヴ時代のロングランナーとして今も第一線で活躍しています。
また近年はマーティンとヴィンスがVCMGとして作品を作ったり、RecoilがDepeche Modeのライブにゲスト参加したりリミックスしたりと過去のメンバーとの共演もあります。
Depeche Modeはまさに僕にとっての洋楽初体験にして究極っていうThe Beatls的バンドです。
そしてそのDepeche Modeが所属していたのがイギリスのMuteレーベルです。
もともとオーナーのダニエル・ミラー氏が自分の作品を発表するために作ったレーベルでしたがDepeche Modeが成功してイギリスを代表する一大レーベルとなりました。
Muteレーベルの素晴らしいところはDepeche ModeやErasureなどのポップなバンドで儲ける反面、SPK、キャバレー・ヴォルテール、アインシュテルツェンデ・ノイバウテン、スロッビング・グリッスルなどのノイズやインダストリアルの実験的なアーティストの作品もリリースしていたことです。またEBM(Electric Body Music)を代表するバンド、Nitzer EBBもこのMuteレーベルに所属していました。
そのあとNova Mute、Blast Firstなどのサブ・レーベルが誕生して今のクラブミュージックの発展に貢献してのも見逃せません。
現在でもマドンナが絶賛したイギリスを代表するポップ・デュオのゴールドフラップが所属するなど勢力的に活動しているみたいですね。
電気Grooveの石野卓球さんも相当影響受けたみたいであとでマニアックなMuteレーベルのコンピレーションCDなんかも出してました。
レーベル開始から現在までずっとポップな大衆性とアンダーグラウンドな実験性の共存を維持しながら運営を続け「理想のインディレーベル」とまでいわれるMuteレーベルはテクノ史の中で最重要レーベルといっても過言ではないでしょう。