0からのシンセサイザーのくりっぱーこと
Kurippertronixxx@Kurippersynthです。
“新世代ウェーブテーブル・シンセサイザー”
KORG modwave
のくりっぱーチャンネル連動ブログです♪
今回はKORG modwaveの基本的な操作についての解説です。
KORG modwaveはKORG デジタルシンセ3兄弟opsix、wavestateに次ぐ3番目のシンセサイザーとして昨年(2021年)に発売されたウェーヴテーブルシンセサイザーです。
ウェーヴテーブルシンセサイザーは古くはPPG waveにはじまり、デジタル波形の読み出し位置を変える音源で豊かな音色変化が特徴です。現代のソフトウェアシンセサイザーではメインとなるシンセシスでMassiveにはじまり現在人気のSERUMもこの音源方式です。
KORG modwaveは1985年に発売されたDW-6000 / 8000がもとになっています。
このDW-6000 / 8000はKORGさん初のデジタルオシレーター
【D.W.G.S.(Digital Waveform Generator System)】音源を採用したシンセサイザーでした。
DW-6000 / 8000は波形の読み出し位置は動かせませんでしたが、デジタルオシレーター+アナログフィルターという独特な組み合わせで(当時デジタルの技術でアナログの再現が難しかった時代です)長年マニアから人気がありました。
ちなみに動画&当ブログでもとりあげましたが、FB-7999というDW-6000 / 8000を完全再現したフリーのソフトウェアがあります。
marronfieldsproduction.hatenablog.com
話がそれましたが、KORG modwaveはそのDWシンセサイザーをベースに現代仕様に発展させたシンセサイザーです。
DWシンセサイザーはただオシレーターを鳴らすのみでしたがmodwaveは読み出し位置を変えたり、波形の形を変化させたり複雑で豊かなサウンドを鳴らすことが可能です。
もちろんDWシンセサイザーの焼き回しだけでなくゲーム、物理学を取り入れた(?)Kaoss Physicsとモーション・シーケンシング 2.0という新しい技術も採用されています。
KORG modwaveの開発がくりっぱーチャンネルでも取り上げたwavestateと同じKORG カリフォルニア R & Dというイカれた天才集団(最高の褒め言葉)ということもあり期待値がめっちゃ高いです!
wavestateといえばwavestationの発展系くらいに思ってましたが、、、。
もちろんwavestationの機能はほぼ兼ね備えてますが、ウェーヴシーケンシング2.0やモジュラーシンセサイザーばりの複雑なモジュレーションやランダマイズなど別次元で理解するまでにかなり時間がかかりましたが理解したらくりっぱーにとって最高にイカしたシンセサイザーになりました!
ソフトウェアシンセサイザーでけっこうウェーヴテーブルシンセサイザーも持っているし、ハードでもHYDRASYNTHあるからもともとmodwaveは導入するつもりはありませんでしたがwavestateを理解していくにつれて、、、
「modwaveの左上の変なパッド、モーション・シーケンシング 2.0気になるし、あのイカれたイカした天才集団が開発したシンセサイザーとなれば一度じっくり向き合ってみたい!」
と思い導入に至りました笑
同じデジタルシンセサイザーのwavestateとの違いはwavestateのウェーヴシーケンスシーケンスごとにがサンプル波形そのものを入れ替えるのに対して
modwaveはひとつのウェーヴテーブル波形の読み出し位置を変えたり波形の形を変えたりして複雑で豊かなサウンドを鳴らすという感じですね。
音源部の違いはありますが基本的な設計やOSなどはほぼ同じです。
操作パネル的には左側が違うって感じですね笑
後発だけあってmodwaveの方が〔HOLD〕ボタンがついてたり、フィルターセクションに〔AMP〕〔PITCH〕のボタンが追加されてボタンひとつでページに飛べるようになったり、ブラッシュアップされてる感はありますね。
鍵盤の上の16のボタンは
・SET LIST
・モーションシーケンシング 2.0
・カテゴリー機能
を使うボタンとして機能します。
膨大なパフォーマンスが収録されているmodwaveですが
【SET LIST】機能で4つのBANK × 16スロット 合計64までSET LISTにパフォーマンスを保存してボタンひとつで呼び出すことが可能です。
やり方はかんたんで保存したパフォーマンスの選択中に
【SET LIST】ボタンを押して点灯させます。
【WRITE】ボタンを押しながら
任意のBANK A~D / 1~16のボタンを押します。
「A6に保存していいか?」と表示が出るのでもう一度【WRITE】ボタンを押すと保存されます。
またカテゴリー機能ではでベース、パッド、ブラスなど各サウンドに分かれているの目的のサウンドにすばやくアクセスすることが可能です。
KORG modwaveは基本的に【PERFORM】を選択して演奏します。
パフォーマンスは2つの【Layer Program】で構成されています。
【Program】はOSC1 / 2の2つのオシレーターを組み合わせることが可能です。
KORG modwaveの発音の核、オシレーターは2基のウェーヴテーブル / PCM波形を搭載しています。
・200以上のウェーブテーブル、
・ウェーブテーブルはそれぞれ最大64の波形、
・30以上のモディファイア
・13のモーフタイプ
を使ってリアルタイムや変調機能を使って変化させることが可能です。
理論上ではオシレーターだけで2億3千万以上のウェーブテーブルのバリエーションが可能とのことです!
また標準的なSerumフォーマットで提供されている多くのフリーおよび商用のウェーブテーブル・ライブラリ、modwave用のカスタム・バージョンとして提供されているクロス・プラットフォームのフリーのWaveEditを使って独自のウェーブテーブルを作成することもできます。
コルグのSample Builderソフトウェアを使って最大4GBのサンプルをインポートすることもできます。
こんな感じでオシレーターだけでもかなり幅広いサウンド作りが可能です。
【OSC MODE 1 / 2】〔OSC MODE〕で
〔A〕選択したAの波形のみ
〔A / B〕選択したA / B波形のブレンド
〔SAMPLE〕マルチサンプル波形
を選択してオシレーターを鳴らします。
〔POSITION〕
ウェーブテーブル波形の読み出し位置をコントロール可能です。
波形によって読み出し位置でかなり音が変わるのでひとつの波形でも豊かな音色変化を得ることが可能です。
リアルタイムでのコントロール、LFOなどで変調して時間的に変化させることも可能です。
〔A / B BLEND〕
【OSC MODE】で〔A / B〕を選択した場合A / B波形のブレンドをします。
〔MORPH〕
波形の形を変えるパターンを選択します。
ひとつのLAYERで2つのオシレーターを使うことが可能です。
LAYERはA / B2つ重ねられるのでかなり複雑なサウンド作りが可能です。
【ANALYZER】ボタンを押すと波形をリアルタイムに表示することが可能です。
KORG modwaveのフィルターもwavestateと同様にPoly six、MS-20、マルチフィルターなどさまざなタイプを選択可能です。
サウンドの時間的変化をコントロールする【ENVELOPE】は
〔FILTER〕〔AMP〕〔OSC 1〕〔OSC 2〕
をそれぞれ設定可能です。
opsix、wavestate、modwave、
KORGデジタルシンセ三兄弟の中でもwavestateと双子のようなmodwaveですが操作性もほぼ同じだし、ウェーヴシーケンスもウェーヴテーブルも概念はかなり似てます。modwaveのウェーヴテーブルも64波形、wavestateのウェーヴシーケンスも最大64ステップ可能だしシーケンス全体で見たらある意味ウェーブテーブルではありますね(^^;
操作性に関してはmodwaveのが後発だけあって【HOLD】ボタンが搭載されたり、ピッチやAMPのボタンが追加されたり、ブラッシュアップされてる感あります。
wavestateもアップデートで改善されましたが、最初はかなり使いにくかったです(^^;
オシレーター以降の音作りはアナログシンセサイザーと変わらないのでそんなに難しくはないですが、
モジュラーシンセばりの複雑なモジュレーションやモーションシーケンシング、一世風靡したXYコントロールのカオスパッドを発展させたようなKAOSS PHYSICSなどなど、たんなるウェーヴテーブルシンセサイザーでは収まらないかなり多機能なシンセサイザーなので…はっきり相当言ってマニアックシンセです笑
初心者やデジタルシンセ慣れてない方は最初しんどいかも知れませんが(^^;
慣れればめっちゃ可能性のあるシンセサイザーだと思います。
くりっぱーはwavestateで鍛えられました笑
次回はmodwaveならではのKAOSS PHYSICSやモーションシーケンシング機能を紹介します!