0からのシンセサイザーのくりっぱーこと
Kurippertronixxx@Kurippersynthです。
“新世代ウェーブテーブル・シンセサイザー”
KORG modwave
のくりっぱーチャンネル連動ブログです♪
今回はKORG modwaveの
サウンドの明るさをコントロールする【FILTER】についての解説です。
シンセサイザーのサウンドにおいてオシレーターの次に重要なのが【FILTER】のセクションです。
おもにオシレーターから来た波形の明るさをコントロールします。
高域 / 低域を削ったり、レゾナンスで周波数のピークを持ち上げてサウンドにクセをつけたりします。「ミョンミョン」といった感じのサウンドは定番ですね。
modwaveはオシレーター部で複雑な波形を作れますが、通常のアナログシンセサイザーのオシレーターは「ビー、プー、ピー」といった感じの音なので笑
フィルターで表情を付けます。アナログシンセのサウンド作りでは定番の機能ですね。
KORG modwaveは12種類の多彩なフィルターでコントロールが可能です。
【POLY SIX】【MS-20 LP】【MFILTER】はボタンで切り替え可能で
他のタイプのフィルターは【FILTER TYPE】〔MORE〕ボタンを押して【VALUE】のつまみで選択します。
【CUTOFF】
フィルターの明るさをコントロールします。選択するフィルターによってキャラクターが大きく変わります。
【RESONANCE】
周波数のピークを持ち上げてサウンドにクセをつけます。
値を大きくすると発振します。
【ENV INTENCITY】
エンベロープで設定した時間的変化のカーヴがフィルターにかかる深さをコントロールします。
【SHIFT】+【KEY TRACK】
音域によるフィルターの明るさを設定します。
【SHIFT】+【PRESET】
【XFADE】の組み合わせを切り替えます。
【SHIFT】+【XFADE】
〔MFILTER〕で選択した異なるタイプの組み合わせのフィルターを可変させます。
フロント・パネルの【FILTER TYPE】ボタンを押すと、フィルターのタイプが選択できます。〔Polysix〕〔MS-20 LP〕〔Multi Filter〕の3タイプはボタンから直接選択できます。
〔LP(ロー・パス)〕
カットオフ周波数よりも高域部分をカットします。ロー・パスは最も一般的なタイプのフィルターで、明るい音色を暗めにします。
〔HP(ハイ・パス)〕
カットオフ周波数よりも低域部分をカットします。音が細くなります。
〔BP(バンド・パス)〕
カットオフ周波数の周辺だけを残して、高域も低域もすべてカットします。このため、カットオフの設定とオシレーターのマルチサンプルによっては、大きく変化します。レゾナンスが小さいとき、バンド・パス・フィルターで電話や蓄音機のようなサウンドを作ることができます。レゾナンスが大きいとき、帯域の狭い音色や鼻にかかったような音色なります。
〔BR(バンド・リジェクト)〕
真ん中がくぼんでいるので、ノッチ・フィルターとも呼ばれ、カットオフ周波数とその周囲だけをカットします。カットオフにLFO でモジュレーションをかけると、フェイザーのような効果が出ます。
〔2-pole LP, HP, BP, BR〕
LP とHP は12dB/oct フィルター、BP とBR は6dB/oct フィルターです。ビンテージ・シンセサイザーのエクスパンダー・モジュールで使用していたのが、このタイプのフィルターです。
〔4-pole LP, HP, BP, BR〕
LP とHP は24dB/oct フィルター、BP とBR は12dB/oct フィルターです。上記の2 ポール・タイプと比較すると、カットオフ周波数以降のロール・オフ(フィルタリング特性)がより強く、よりシャープなレゾナンスになります。ビンテージ・シンセサイザーの多くで、このタイプのフィルターを採用していました。
〔Multi Filter〕
2 ポールのフィルター・タイプをはじめ、さまざまなタイプから選択できる複雑なフィルターです。
ロー・パス、ハイ・パス、バンド・パス・フィルターを同時に処理します。
〔XFADE〕(【SHIFTボタン】+【ENV INTENSITY】)ではフィルターのミックスを直接コントロールまたは変調が可能です。
〔MS-20 LP, HP〕
コルグMS-20 の特徴的なフィルター・サウンドを再現した12dB/oct で自己発振可能なフィルターです。Resonance を上げると信号が歪みだしてアグレッシブなサウンドになります。フィルターへの入力レベルの設定によって、サウンド・キャラクターが大きく変わります。
〔Polysix〕
力強くスウィートなサウンドが特徴的なコルグPolysix のフィルターを再現した24dB/oct、自己発振可能なローパス・フィルターです。
よく使われているのがLPフィルターで、サウンドにクセをつけるときにHP、BPフィルターといった感じですね。
〔Multi Filter〕では複数のフィルターの組み合わせを選択して〔Xfd〕でクロスフェード可変させることが可能です。
カーソルを持っていって【VALUE】で直接コントロールするか、
【SHIFT】+【PRESET】で〔MFilt〕組み合わせを切り替えます。
【SHIFT】+【XFADE】で〔MFilt〕で選択した異なるタイプの組み合わせのフィルターを可変させます。
〔Xfd〕は【LFO】などにわりあてして時間的な周期的変化をくわえることが可能です。
modwaveでは【AMP】【PITCH】のボタンが追加されてフィルターのコントローラーと切り替えて使います。
wavestateの時は【SHIFT】を押しながら~という感じでしたがボタンで切り替えた方がわかりやすくていいかなって感じですね^^
【PITCH】では各ピッチの設定にくわえて音程の変化を遅らせるシンセの定番の機能、「ポルタメント」の設定もここでします。
modwaveは前回やった通りウェーヴテーブルオシレーター部のみで複雑な波形を作れますが、フィルターでアナログシンセサイザー的な音作りなのでハイブリッドなサウンド作りが可能です。
実際、初期のウェーヴテーブルシンセサイザーPPGやmodwaveの原点のDW-6000 / 8000シンセサイザーの時代はまだデジタル技術でフィルターを再現できなかったため、デジタルオシレーター以降のフィルターやアンプはアナログの技術を採用していました。
実際その組み合わせがそれらのシンセサイザーの個性として評価されました。
modwaveでは多彩なフィルターの再現とLFOやKaoss Physicsなど複雑なモジュレーション機能で現代的なより有機的なサウンドにすることが可能です。
マルチモードフィルターのモーフィングは気持ちいいですね^^