INCUBATEは1993年にリリースされたSOFT BALLETの5thアルバム。
前作「MILLION MIRRORS」ではわりとコンセプチュアルな音作りでしたが本作ではポップ志向の森岡/インダストリアルや実験性重視の藤井の制作スタイルに回帰して両作曲者の作風も円熟して個性がより明確に出ています。
森岡さんはそれまで曲作りにはハードウェアのシーケンサーを使っていたけどこの作品から曲作りにコンピューターを導入したってインタビューで答えていた気がします。
個人的に初めて買ったSOFTBALLETの作品であり、最高傑作だと思っています。
全作詞 遠藤遼一(M10のみ作詞作曲 藤井麻輝) ()は作曲者
M01. PARADE (森岡賢)
重厚なオーケストラとダンスビートをミックスした大曲。そこに遠藤氏のオペラチックなヴォーカルが乗ってSOFTBALLETならではの楽曲となっています。
M02. JEWEL SNAKE (森岡賢)
森岡さんらしいお得意のノリのロックっぽい良いシャッフルビート曲。ギターのアレンジも良い感じです。
M03. WHITE SHAMAN (森岡賢)
シングルカットもされた森岡氏お得意のダンスビート。妖しいながらもポップでノリの良い後期SOFT BALLETの代表曲。
個人的に初めて聴いたSOFTBALLETの楽曲で一発でノックアウトしました。テレビで初めて見た森岡さんのクネクネダンスはもちろん衝撃でしたし(笑)音もフレーズも歌も今聴いてもカッコ良いです。
M04. TRANSCODE (藤井麻輝)
シンセの効果音、声のナレーションを使った曲というよりは空間の様なSEという感じの作品です。
M05. DEEP-SETS (藤井麻輝)
藤井氏作曲の壮大で妖艶な雰囲気もあるナンバー。藤井氏はSOFT BALLET時代のお気に入りの曲は?って質問にこの曲を答えてた気がします。
M06.INFANTILE VICE (藤井麻輝)
SOFT BALLETの音楽性からは意外な(笑)アコースティックギターデュオのゴンチチの2人が参加しています。マイナーな曲調でこの曲は前作のイメージがあるかな。
M07. PHASE (森岡賢)
祈りの様な綺麗な曲。こちらも前作の「FAIRY TALE」を彷彿させます。
M08. ENGAGING UNIVERSE (森岡賢)
シングルカットされた爽やかでドリーミングなストレートなエレクトロ・ポップ。シンセのピアノやストリングスが綺麗な音に遠藤氏のオペラチックなヴォーカルが重なるSOFTBALLETの極上ポップソング。個人的にライブでコピーもした思い出の曲ですね。
M09. PILED HIGHER DEEPER (藤井麻輝)
藤井氏お得意のヘヴィなインダストリアル・ロック。当時THE MAD CAPSULE MARKETSのメンバーのCRA¥(TAKESHI UEDA 現AA=)- ベースとISHIG∀KI(石垣愛)- ギターが参加しています。
M10. GENE SETS (藤井麻輝)
続いて藤井氏の歌のないインダストリアル曲。当時のレーベルはよくこんなやりたい放題の曲許したなぁって感じですね(笑)
M11. MARBLE (森岡賢)
ラストは重いシンセベースで始まるマイナーなミディアムなナンバー。トランペットが楽曲の重くダウナーな世界観を彩ります。
アルバム未収録曲
CONSCIOUSNESS (森岡賢)
「 WHITE SHAMAN」のシングルに収録された全体的に浮遊感のあるアンビエント・ポップな感じの曲。遠藤氏のオペラチックなヴォーカル、デジタルシンセっぽいベル系の音やボイスの音が心地よいSOFT BALLET流子守唄のような曲。