0からのシンセサイザーのくりっぱーことKurippertronixxx@Kurippersynthです。
ESI Xsynthの動画連動ブログです。

今回はESI Xsynthの基礎操作的についての解説です。
今回bhodhit magazineさんの案件でDirigentさんからESI Xsynthをお借りして動画制作させていただきました。



Xsynthはサンプル波形を使った「ヴァーチャルアナログ減算シンセサイザー」というタイプの楽器です。簡単に言うと、基本的な音の波形(オシレーター)から音を作り、フィルターやエフェクトで加工して、さまざまなサウンドを生み出します。サンプルROM(プリセットの音源)ベースなので、シンセの波形以外にもピアノやギター、電子音など多彩な音が最初から入っています。合計512種類のプリセットサウンド(パッチ)があり、4つのバンク(グループ)に分かれています。
※ESI Xsynthはマルチティンバー(複数の独立した音色を同時に演奏する機能)に対応していません。
シンセエンジンの基本(音作りの仕組み)
オシレーター(OSC): 音の元になる波形を生成する部分です。3つあり、例えばサイン波(滑らかな音)やノコギリ波(鋭い音)などを組み合わせて音を作ります。ただ波形を鳴らすだけでなくPWM(パルス幅変調)、シンク、FM(周波数変調)などの機能で音を変化させられます。
エンベロープ(ENV): 音の変化をコントロール。AHDSR(Attack:立ち上がり、Hold:保持、Decay:減衰、Sustain:持続、Release:余韻)という5段階で、音のボリュームやフィルターを時間的に調整。3つあります。
LFO(Low Frequency Oscillator): 音に振動や揺らぎを加える。3つあり、ビブラート(音の高さの揺れ)やワウワウ効果を作れます。
モジュレーションマトリックス: 16スロットあり、LFOやエンベロープを他の部分(例: オシレーターのピッチ)に割り当てて複雑な音を作れます。
フィルター(FLT)とエフェクト(FX): フィルターで音の明るさや暗さを調整。エフェクトは3スロットあり、リバーブ(残響)、ディレイ(エコー)、コーラスなど。EQ(イコライザー)で全体の音質を整えます。
ポリフォニー: 最大10ボイス(同時に10音まで出せます)。
これらを操作するのは、キーボード上部のノブ(ツマミ)4つ+1つとボタン、OLEDディスプレイ(小さな画面)です。ディスプレイでパラメーター(設定値)を確認しながら、リアルタイムで音を編集できます。

【PATCH / SELECT】
パッチを選択します。 パラメーターの変更をしているとセーブしているか聞かれるので必要なければ【CANCEL】を押します。

【ARP】(アルペジエーター)
本体を起動して最初にARPページを開くとアルペジエーターが自動でONになります。再度ARPボタンを押すとOFFになります。画面上部にON/OFFが表示されます。
【GLIDE】(グライド/ポルタメント)
ノート間を滑らかにつなぐ設定です。GLIDEボタンを押してページを開き、ModeをTrigまたはLegatoに、Rateを0より大きく設定すればグライドが有効に。Rate値を上げるほど滑らかさが長くなります。和音でも各ノート間がスムーズに移行します。
【– OCTAVE +】(オクターブシフト)
左側を押すとキーボード全体が1オクターブ下がり、右側を押すと上がります。全オシレーターに反映され、新パッチを読み込んでも継続されます。
【HOLD】(ホールド/サスティン)
アルペジエーター / ノートが鳴り続けます。LED点灯中は有効、同時に追加ノートも保持。ポリフォニー上限超過時は新ノートが古いノートを置き換えます。Holdの動作モードはGLOBALの2ページ目で切り替えできます。
【MODULATION】(モジュレーション)
感圧式ボタンでモジュレーション信号を送信します。強く押せば送信されるデータが大きくなり、離せば0に戻ります。一般的なモジュレーションホイールの感覚で使えます。
【– PITCH +】(ピッチベンド)
左右感圧式ボタンで、左側でピッチダウン、右側でピッチアップします。離すと自動的に元の音程に戻ります。

Xsynthのエディットは基本的に画面上の4つのパラメーターを4つのDISPLAY PARAMETERでコントロールします。
オシレーターのエディットは【OSC】ボタンを押してアクセスします。ボタンを複数回押すとOsc1/2/3/Globalに切り替えします。PAGE ← → で詳細設定をします。

【MIX】
各オシレーターのミックスをコントロールします。

[Wave]
各オシレーターの波形を選択(基本波形、フィールド録音、ドラムキットなど)します。ループサンプルがほとんどで、ドラムはワンショットサンプルです。
[Coarse/Fine Tune]
ピッチ調整します(半音単位/微調整)。
[Keytrack (KTrck)]
ONでキーボードのピッチに追従、OFFで固定音高になります(例: ノイズやドラムに便利)。
[PWM (Pulse Width Modulation)]
パルス波を狭めて音を変形します。(Osc1のみ)
[FM Amount]
Osc3→Osc1のFM深度を調整します。
[O2sync/O3sync]
Osc2/3をOsc1に同期します。
[Poly/Mono]
ポリフォニック/モノフォニック切り替えをします。
[Unison Count/Detune]
スタック数とデチューン(微妙なずれ)でレイヤーを強化します。スタック数によって同時発音数が変わります。
[Drift]
Osc3にアナログ風)のランダムチューニングを追加します。

【ENV】では音量やフィルターなどの時間的変化をコントロールが可能です。Xsynthでは3つのエンベロープを使用可能です。
[A:Attack]
サウンドの立ち上がりの時間をコントロールします。値が大きいほど立ち上がりが遅くなります。
[D:Decay]
Attackのあとの減衰をコントロールします。値が小さいほど短くなります。Sustainの値がマックスの時は無効になります。
[S:Sustain]
Decayのあとのレベルをコントロールします。
[R:Release]
ノートオフしたあとの余韻の時間をコントロールします。

【LFO】は「Low Frequency Oscillator」といって低い周波数の波形で各パラメーターを変調します。わかりやすい例で言うとピッチにかければビブラート、フィルターにかければオートワウ、ヴォリュームにかければトレモロみたいなイメージです。Xsynthでは3つのLFOを使用可能です。

LFOのわりあては【MOD】でおこないます。

【LFO】
[Wave]
LFO波形を選択します。
[Global]
1つのLFOを全ボイスで共有するか、鍵盤ごとに別々にするか設定します。
[Rate]
LFO波形の周期(スピード)をコントロールします。
[Sync]
MIDIクロックに同期します。(1/4拍など)
[Delay]
鍵盤を押してからLFOが動き始めるまでの時間をコントロールします。
[StartPhase]
波の開始位置をコントロールします(すべてのLFOを同じタイミングで動かしたいときに便利)。

[Resonance]カットオフ付近をブースト。127にすると「ピィィィン!」と自己発振してホイッスルみたいな音になります。
[Mode / Slope]
High Pass(高域通過):低域をカットします(シャープ) 。
Band Pass(帯域通過):特定の周波数だけ残します。
[12dB/24dB]
[Drive / PreFilter]
[E.Amt]
「AでBを動かす」接続みたいなイメージでXSynthは16ものマトリクスを設定可能なのでかなり複雑なマトリクスを組むことも可能です。
[Source]
動かす元(LFO1、ENV2、Velocity、Poly Aftertouch、Mod Wheelなど)を選択します。
[Destination]
動かしたい先(Cutoff、Osc Pitch、Resonance、FXパラメーターなど)を選択します。
[Amount]
変調の深さを設定します。

マクロコントロールは、Xsynthのさまざまな「音の要素」(パラメータ)を、4つのノブ(ツマミ)に割り当てて、素早く調整できるショートカット機能です。音の明るさ、揺れ具合、ボリュームなどを一気に変えられるのでコントロールが楽になります。
シンセサイザーはたくさんの設定項目がありますが、マクロを使えばお気に入りのものを4つ(M1からM4と呼ばれる)にまとめて操作可能。ライブで演奏しながら音を変えたり、DAW(音楽制作ソフト)でコントロールしたりするのにぴったりです。
マクロは最大で1つのマクロごとに3つのパラメータを割り当てられます(例: M1に3つ)。これを4つ(M1~M4)用意できるので、合計で12個のパラメータをコントロール可能です。ただし、設定はグローバル(全体共通)なので、すべての音色(パッチ)に適用されます。
マクロの設定は【MACRO】ボタンをもう1回押して編集ページへ入ります。
左端のエンコーダーで「Param1」(パラメータ1)を選択。選択肢は「Mod Destinationsリスト」(モジュレーションの対象)から選べます。Filter Cutoff / Osc1 Pitchなど。
Min(最小値)とMax(最大値)を設定。これで調整範囲を決めます(デフォルトは0~127)。
※範囲を狭くすると(例: Min=20, Max=100)、極端な変化を防げて安全です。
[Type](タイプ)
マクロのタイプを選択します。
Spread:現在の値から徐々に変化(優しい調整。ライトの調光器みたい)。
Absolute:すぐに指定値にジャンプ(スイッチみたいに急変)。
Param2やParam3も同じように設定可能です(1つのマクロに3つまで)。

Xsynthの【FX】はエフェクト3系統+EQの使用が可能です。
[FX1]Distortion / Compressor / WahWah / LoFi / EQ Bandpass
[FX2]Reverb(Hall/Room/Plateなど)
[FX3]Chorus / Flanger / Delay
[Post Level]各エフェクトの出力音量。
[PatchVol]全体の音量調整(音色自体は変わらない

ESI Xsynthひと通り使ってみて、コンパクトで便利なのは想定していましたが、シンセサイザーとしてかなり強力なプロダクトだと思いました^^
10音のポリフォニーとポリフォニック・アフタータッチのおかげで表現力が豊かになり、微妙なニュアンスを出すことも可能です。
シンセエンジンは3オシレーターでアナログシンセ的なサウンドから90年代ROMplerっぽいレトロなサウンドまで幅広くカバーすることが可能です。基本はサンプル波形ですが、オシレーターシンクFM変調、リングモジュレーションといった本格的なシンセサイザーの変調も可能です。
そして16のモジュレーションマトリクスはシンセとしてはかなり強力で複雑な変調も可能だし、マクロコントロールでまとめてコントロールも可能です。
ホールド機能もあるのでドローンマシンとしても使用することが可能です。
ESI Xsynthは一通り使ってみて「モバイル作曲ツールのフリした加圧セミモジュラーシンセサイザー」でした!^^
つまみによるコントロールはもちろんですが、加圧によるコントロールも可能なのでライブにおいてもかなりパフォーマンス性が高いと思います。
個人的にはDTMよりもマシンライブもやる方にアドバンテージがあるプロダクトだと思います。
ハードウェア / アプリ等の一発録音のマシンライブ演奏を公開しています。
SONICWARE Lofi-12 XTをメインにしたマシンライブ名義のライブ動画です。

























































