くりっぱーとろにくすのブログ

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SOFT BALLET - INCUBATE(1993)

INCUBATEは1993年にリリースされたSOFT BALLETの5thアルバム。

前作「MILLION MIRRORSではわりとコンセプチュアルな音作りでしたが本作ではポップ志向の森岡/インダストリアルや実験性重視の藤井の制作スタイルに回帰して両作曲者の作風も円熟して個性がより明確に出ています。

森岡さんはそれまで曲作りにはハードウェアのシーケンサーを使っていたけどこの作品から曲作りにコンピューターを導入したってインタビューで答えていた気がします。

個人的に初めて買ったSOFTBALLETの作品であり、最高傑作だと思っています。

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全作詞 遠藤遼一(M10のみ作詞作曲 藤井麻輝) ()は作曲者

M01. PARADE (森岡賢)

重厚なオーケストラとダンスビートをミックスした大曲。そこに遠藤氏のオペラチックなヴォーカルが乗ってSOFTBALLETならではの楽曲となっています。

M02. JEWEL SNAKE (森岡賢)

森岡さんらしいお得意のノリのロックっぽい良いシャッフルビート曲。ギターのアレンジも良い感じです。

M03. WHITE SHAMAN (森岡賢)

シングルカットもされた森岡氏お得意のダンスビート。妖しいながらもポップでノリの良い後期SOFT BALLETの代表曲。

個人的に初めて聴いたSOFTBALLETの楽曲で一発でノックアウトしました。テレビで初めて見た森岡さんのクネクネダンスはもちろん衝撃でしたし(笑)音もフレーズも歌も今聴いてもカッコ良いです。

M04. TRANSCODE (藤井麻輝)

シンセの効果音、声のナレーションを使った曲というよりは空間の様なSEという感じの作品です。

M05. DEEP-SETS (藤井麻輝)

藤井氏作曲の壮大で妖艶な雰囲気もあるナンバー。藤井氏はSOFT BALLET時代のお気に入りの曲は?って質問にこの曲を答えてた気がします。

M06.INFANTILE VICE (藤井麻輝)

SOFT BALLETの音楽性からは意外な(笑)アコースティックギターデュオのゴンチチの2人が参加しています。マイナーな曲調でこの曲は前作のイメージがあるかな。

M07. PHASE (森岡賢)

祈りの様な綺麗な曲。こちらも前作の「FAIRY TALE」を彷彿させます。

M08. ENGAGING UNIVERSE (森岡賢)

シングルカットされた爽やかでドリーミングなストレートなエレクトロ・ポップ。シンセのピアノやストリングスが綺麗な音に遠藤氏のオペラチックなヴォーカルが重なるSOFTBALLETの極上ポップソング。個人的にライブでコピーもした思い出の曲ですね。

M09. PILED HIGHER DEEPER (藤井麻輝)

藤井氏お得意のヘヴィなインダストリアル・ロック。当時THE MAD CAPSULE MARKETSのメンバーのCRA¥(TAKESHI UEDA 現AA=)- ベースISHIG∀KI(石垣愛)- ギターが参加しています。

M10. GENE SETS (藤井麻輝)

続いて藤井氏の歌のないインダストリアル曲。当時のレーベルはよくこんなやりたい放題の曲許したなぁって感じですね(笑)

M11. MARBLE (森岡賢)

ラストは重いシンセベースで始まるマイナーなミディアムなナンバー。トランペットが楽曲の重くダウナーな世界観を彩ります。

 

アルバム未収録曲

CONSCIOUSNESS (森岡賢)

 WHITE SHAMANのシングルに収録された全体的に浮遊感のあるアンビエント・ポップな感じの曲。遠藤氏のオペラチックなヴォーカル、デジタルシンセっぽいベル系の音やボイスの音が心地よいSOFT BALLET流子守唄のような曲。

 

 

SOFT BALLET - MILLION MIRRORS(1992)

MILLION MIRRORSは1992年にリリースされたSOFT BALLETの4thアルバム。

アルファレーベルからビクターのXEOレーベルに移籍してから最初の作品となります。

今作はレーベル移籍後初の作品で気合いが入っていたみたいで「ミーハーなファンは駆遂する」とのことで(笑)SOFT BALLET史上最もダークでシリアスで重い作品です。サウンドもこれまでは良くも悪くもテクノ、ニューウェーヴ、インダスリアル、EBMの影響が強い感じでしたが、今回からそれらを昇華して彼らならではの世界観を構築しています。当時国内のメジャーな音楽でアンビエントやノイズを積極的に取り入れていたのは彼らとBUCK-TICKくらいでしょう。

そのBUCK-TICKのギタリスト今井寿さんは藤井さんとのインダストリアル・ユニットのSCHAFTの活動でもおなじみです。今作の「MEDDLER」にギターで参加しています。

サウンドの変化も顕著ですが遠藤氏のヴォーカルが飛躍的に向上してそれまではどちらかというとSOFTBALLETってヴォーカルよりサウンドの方がインパクトが強い感じでしたが音と見事に調和しています。もともとお父様がオペラの歌手だったみたいですがそのへんの才能も今作で開花したのかなと思います。

これまでの作品の中でも難解な感じで賛否両論の作品ですが最高傑作に挙げるファンも少なくない作品です。当時J-POPの市場でこんな作品出してたなんて今では信じられません。

当時のライブはメンバー3人にサポート・ドラマー2人という異色の編成でした。minus(-)も女性ドラマー2人という編成でしたね。

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全作詞 遠藤遼一 ()は作曲者 

M01. FRACTAL (森岡賢)

オープニングナンバーは森岡氏作曲のミディアムなテンポで重厚で覚醒するようなナンバー。今までは森岡/藤井の曲っていうは明確な感じがありましたが本作はコンセプトに沿ったような音作りになっています。

遠藤氏の低音ヴォーカルも磨きが掛かって音の世界と見事に調和しています。

再結成のSummer Sonicのライブでも演奏されてました。

M02. WHOLE THE WHOLE (森岡賢)

ダークながらも軽快でテンポの良いポップな曲。ブッ太いシンセベースが気持ち良いです。

M03. A SHEPHERD'S SON (森岡賢)

ピアノ、オルガン、ブラスが効果的に使われているシャッフルナンバー。ノリは良いけどダークで引き込まれそうな曲です。

M04. VIETNAM (藤井麻輝)

森岡曲が3曲続いたあとは藤井氏の重厚なナンバー。ノイズから始まって赤ちゃんの泣き声のサンプリングやノイジーなリズムと綺麗なストリングスサウンドのコントラストが美しいです。後の藤井さんの音の方向性を決定付けたような曲ですね

M05. INSTINCT? (森岡賢)

シンプルなシンセベースのリフを生かしたアップテンポなナンバー。ギターのリフも入って聴きやすいです。後半はリズムも変わって重厚な展開になります。解散時のライブ/テレビ出演でも演奏されてました。森岡氏の「Sound masturbation」のパフォーマンスとエアギターが印象的でしたね(笑)

…個人的には大昔にライブでやったりしていろんな意味で思い出深い曲です。。。(黒歴史)

M06. HYSTERIA (藤井麻輝, 森岡賢)

バンド史上初となる森岡/藤井による共作ナンバー。

シンセベースにリフにいろんな音が絡んでいく感じです。女性ヴォーカルが入っていたりと本作の中ではダークながらわりと軽めな感じの曲です。

M07. FAIRY TALE (森岡賢)

綺麗なオーケストラアレンジとポップな曲調が印象的な森岡氏の作曲ナンバー。ピアノが効果的に使われていてシーケンスやリズムパートは当時のヨーロッパのエレクトロポップを彷彿させます。次作の「INCUBATE」の「PARADE」にも続く綺麗でポップな曲ですがアルファ時代にはなかった森岡流ポップといった感じです。

M08. MEDDLER (藤井麻輝)

BUCK-TICK今井寿氏がギターで参加した曲。マイナーなギターのフレーズが繰り返されて(サンプリングかな?)ダビングされた遠藤氏のヴォーカルが不穏な感じで響きます。間奏に変なギターソロ(?)みたいな音が入ってますがこれも今井氏かな?

M09. THRESHOLD (YELLOW-MIX) (藤井麻輝)

藤井氏曰く「今作で唯一のファンサービス」とのことです(笑)ノイズで始まり、ギターのリフ(サンプリング?)とEBM的なシンセベースと暴力的なビートが曲を支配しています。遠藤氏のヴォーカルやシンセのサウンドもディストーション処理されていて曲全体が緊張感があってカッコ良いですね。

海外でもシングルがリリースされてたみたいですね。当時の海外のインダストリアル/EBMのアーティストと比べても全くひけを取らないクオリティで現在だったらもっと海外でも評価されていたでしょうね。

M10. THRESHOLD (WHITE-MIX) (藤井麻輝)

こちらのミックスはブレイクビーツ4つ打ちのリズムを強調したよりダンサブルな感じに仕上がっています。当時海外でバカ売れしていたKLFみたいな気もしなくもないですが(笑)元曲の持つ緊張感はそのまま継承されていますね。手法自体は20年以上前だから古さもあるけどやっぱりカッコ良いですね。

 

 

DEXED

今回取り上げるDEXEDは80年代に空前の大ヒットを記録したFMシンセサイザーYAMAHA DX-7をソフトウェアで再現したプラグインシンセでフリーのプラグインシンセの中でもとりわけ人気/ポテンシャルともに高いソフトです。

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Dexed

(ダウンロード/インストールは自己責任でお願いします。)

YAMAHA DXシリーズはフルデジタル処理のシンセということと、当時のアナログシンセでは出せなかった硬質で金属的な音を得意としてました。

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ソフトのFMシンセといえばNative InstrumentsFM8なんかが有名ですがFM8はいい意味で現代のFMシンセという感じです。

DEXEDは6オペレーターなので実際のDX-7に近いです。本物のDXと互換性がありSys-EXでデータをやりとり出来るほか、実機のエディターソフトとしても使うことが可能だそうです!

FM音源は音がキツめになってしまうので実機にはないフィルターがあるのもいいですね^^

 

とはいえシンセにあまりなじみのない人は「FMシンセって何?」「アナログとどう違うの?」「画面につまみたくさんあってよくわからない」って思われる方も多いと思います。実際FM音源による音作りは難解なイメージがあります。僕もよくわかりません(笑)DEXEDにはプリセットも沢山入っているのでいろんな音色を試しましょう。お気に入りのサウンドを探すのは手間ですが、そこはフリーでソフト使えるんだから割り切りましょう(笑)

 

さらにSys-EXデータも読めるので過去のDXのライブラリも読むことが出来ます。

ここに膨大なパッチが公開されてます!

Korg X3, Yamaha DX7, and Steinway piano players and songwriters site

(ダウンロード/インストールは自己責任でお願いします。)

 

DXといえば硬質なベース、キラキラなパッド、(もはやひとつの楽器の音として定着している)DXエレピ、メタリックなパッドなどたくさんありますが単純に音だけ聴いててもいかにも80年代のデジタルシンセ!って感じですがエフェクター掛けると化けます^^

 

最近のフリーのVSTってホントによく出来てますね。先日紹介したPG-8XOBXDとこのDEXEDに加えて80年代PCMシンセのレジェンドKORG M1プラグイン使えばほぼ80年代の音楽作れるな~って感じですね。

 

SOFT BALLET - 愛と平和(Love & Peace)(1991)

愛と平和(Love & Peace)は1991年にリリースされたSOFT BALLETのサードアルバム。

当時はリアルタイムで湾岸戦争が勃発していてその辺の社会情勢もダイレクトに反映されてアルバム全体に緊張感がある感じです。

サウンド的には当時のライブのサポートメンバー、現在もギタリスト/サウンドプロデューサーとして活躍する石塚“BERA”伯広氏と当時Grass Valleyを脱退して後にP-MODELに参加するドラマー上領亘氏を迎えてよりアグレッシヴなサウンドになった感じがしました。

後に森岡さんが元Grass Valleyのヴォーカルの出口雅之さんとジェントルマンテイクポラロイドっていうユニットを組んだりしてましたね。

「EARTH BORN」がインディーズ~メジャーデビューまでの集大成、「DOCUMENT」がメジャーに移籍してからのSOFT BALLETそしてこの愛と平和(Love & Peace)」アルファレーベル時代の集大成的な作品といったところでしょうか。

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全作詞 遠藤遼一(M10を除く) ()は作曲者 

M01. SAND LÖWE (BEAT MIX) (藤井麻輝)

重厚なオープニングナンバー。ディストーション処理された遠藤氏のヴォーカルにピアノやストリングも効果的に取り入れられていてよりドラマチックで緊張感のあるナンバーになっています。

M02. VIRTUAL WAR (藤井麻輝)

ギターのリフがメインのライブでも盛り上がったインダスリアルロック・チューン。アメリカのインダストリアル・ロックの雄、MINISTRYの某曲へのオマージュともパクリとも取れる感じですが実際はどうなんでしょう。テンポを下げたリミックスや英詞ヴァージョンもあります。

M03. EGO DANCE (EXTENDED VERSION) (森岡賢)

シングル曲でもあり、こちらもライブで定番だった森岡さんの硬質なダンスナンバー。後の再録音ベストはアシッドなシンセのミニマルなリフが入ってより現代的になってます。

M04. OBSESSION (藤井麻輝)

藤井氏にしてはめずらしくメロディアスでシャッフルなナンバー。遠藤氏の妖しくも美しい感じのヴォーカルが印象的な曲です。個人的に隠れた名曲かも。

M05. LAST FLOWER (森岡賢)

シンプルなピアノのコードとメロディアスなオーケストレーションをバックに歌いあげられるバラード。シンセのSEやノイズは後ろで鳴ってたりするところがこのバンドっぽいですね♪

M06. AMERICA (森岡賢)

トゥワンギー・ギター(サーフロック系でよく使われる深くリバーブを掛けた単音のギターリフ)が印象的なシンプルなSOFTBALLET流ロックンロール・ナンバー。歌詞は戦争を起こした当時のアメリカに対する皮肉?再録音ベストにも収録。

M07. FINAL (森岡賢)

歌詞に「Love & Peace」という言葉が使われているシングルカットもされた森岡氏お得意のアップテンポのダンス・チューン。オケヒットが効果的に使われてますね。ギターの絡みもカッコ良いです。

M08. OPTIMAL PERSONA (藤井麻輝)

遠藤氏の低音ヴォーカルが印象的なEBMナンバー。後期のライブでもノイジーなギターを加えたアレンジで変えて演奏されていました。

M09. TANGO IN EDEN (森岡賢)

DEPECHE MODEを思わせる哀愁のあるマイナーなエレポップ。アルバム後半でわりと地味な印象の曲ですが…聴いてるとクセになる不思議な曲です。カラオケでたまに歌います(笑)

M10. TEXTURE (作詞/作曲 藤井麻輝)

藤井氏作詞作曲の沖縄音階を使ったソフトバレエの中ではちょっと異色な曲。

音はソフトバレエなんだけどフレーズがオリエンタルな感じがあって不思議な感じです。

森岡氏の最後のライブとなってしまったminus(-)のライブP-MODEL平沢進さんを迎えてセルフカバーしてました。

M11. SAND LÖWE (藤井麻輝)

M01「SAND LÖWE」のリズムパートを抜いたバージョン。よりダークに響きます。

 

当時の未発表曲

BLOOD (藤井麻輝)

Pet Shop Boysのような爽やかなピコピコ・エレポップ。意外にも藤井氏作曲(笑)

NECRON (藤井麻輝)

ライブのSEとしても使われていたインストの小作品。

 

当時の集大成として1992年にライブアルバム「Reiz(raits) -Live at NHK Hall-」が発表されていますライブならではのアレンジが施されていて音源バージョンとはまた違った楽しみ方が出来る作品だと思います。

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M01. NOCTURNE (SE)

M02. BODY TO BODY 

M03. PRIVATE PRIDE

M04. PASSING MOUNTAIN

M04. SPINDLE

M05. FAITH IS A

M06. SOMETHING AROUND

M07. EGO DANCE

M08. NEEDLE (ENGLISH VERSION)

M09. NO PLEASURE

M10. VIRTUAL WAR

M11. CANTIGAS (SE)

 

SOFT BALLET - 3 (drai)(1990)

3 (drai)は1990年にリリースされたSOFT BALLETのミニアルバム。

今回はバンドの2曲+各自作曲&ヴォーカル曲収録という変則ミニアルバムとして発表されました。

「それぞれ分業制」というのが彼らの特徴ですが今回それをそのまま企画にしてミニアルバムにしたような作品です。

森岡さんはバンドとは気色の違う南国風、藤井さんは彼お得意のノイジーなインダストリアル・ロック、遠藤さんは静寂なバラード。

ヴォーカルの遠藤さんが唯一作曲してたり、外部の人が作詞に参加してたりバンドの中でも異色な作品ですね。

初回特典(?)でキーホルダーがあったような(笑)

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M01. BACK LASH (作詞遠藤遼一/作曲藤井麻輝/編曲SOFT BALLET)

藤井氏作曲。ピアノとギターのアレンジが印象的なナンバー。藤井氏の曲の中でもメロディアスな感じですね。後の再録音ベストではよりギターのリフとRoland TR-909のリズム、遠藤氏のヴォーカルをフィーチャーしたナンバーになってます。

M02. Exist (作詞遠藤遼一/作曲 森岡賢/SOFT BALLET)

森岡氏作曲。バンドにしては異色な聖歌のようなクリスマスソング的な(?)ポップで壮大なナンバー。シンフォニックで浮遊感のあるアレンジが印象的です。結構好きな曲です。

M03. BRILLIANT FAULT AND SKY WAS BLUE (作詞 森岡賢, 高木延子/作曲 森岡賢/森岡賢)

森岡ソロ曲。夏に聴きたくなるような南国ボサノヴァ風のリラックスしたアレンジが心地良いです。

M04. MUCH OF MADNESS, MORE OF SIN (作詞 藤井麻輝, 幸田志保 / 作曲/編曲 藤井麻輝)

藤井ソロ曲。スラッシュメタルバンドのDOOMのメンバーが参加しています。後にギターの藤田タカシさんはSOFT BALLETのサポートギタリストとしても参加しています。

藤井さんらしいゴリゴリの高速インダストリアル・ロックなナンバー。

M05. FLOW (作詞/作曲遠藤遼一/編曲 遠藤遼一, 藤井麻輝)

SOFT BALLETの中では唯一の遠藤氏作曲のナンバー。

シンプルなギターのアルペジオとリズム音が心地よいです。

(BONUS TRACK)

M06. GODDESS (作曲/編曲 藤井麻輝)

藤井氏作曲のインストゥメンタル作品。緊張感のある映画のサウンドトラックみたいな感じです。

 

 

SOFT BALLET - DOCUMENT(1990)

DOCUMENTは1990年にリリースされたSOFT BALLETのセカンドアルバム。

前作は全体的に硬質な印象でしたが本作はよりポップなものはポップに、ハードな曲はよりハードになった印象です。当時森岡さんはスランプに陥ってしまって解散も考えたとか。

音楽的にもアレンジの幅や表現力が増えてギターサウンドの比重も増えてます。

アルファ時代のベストアルバムに挙げるファンの方も多い作品です。

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全作詞 遠藤遼一 ()は作曲者

M01. NO PLEASURE藤井麻輝

声のサンプリングとリズムボックスっぽい音から始まって「カキーンッ!」って音からヘヴィなギターのリフで始まるオープニングナンバー。リマスタリングではギターサウンドがより鮮明に聴こえるようになった気がします。

再録音ベストにも収録。よりヘヴィなギターとヴォーカルが印象的になってます。

M02. MIDARA (PORTE DÉVERGONDÉE) 藤井麻輝

シンセベースのリフがメインの妖しいナンバー途中でギターが入ってアップテンポになります。この時期からギターを積極的に取り入れてますね。ライブの影響かな?

M03. PRIVATE PRIDE (森岡賢)

シングルになりそうな森岡氏作曲のダンサブルでアップテンポな曲。クリーンなギターのカッティングも心地よいです♪ライブではアレンジを変えて演奏されててそれもまたカッコ良かった☆

M04. JARO '68 藤井麻輝

左右に振られるシーケンスとギターのサウンドが気持ち良い緊張感のある曲。

M05. BELIEVE IN A BLUE WORLD (森岡賢)

沈み込んでいくようなミステリアスな曲。ヴォーカルとシンプルなシンセとSEが中心でリズムもパーカッションのみ。ノリが良い曲だけでなくこういった曲が出来るのも音楽的な幅広さを感じます。

M06. ESCAPE 藤井麻輝

藤井氏屈指のポップナンバー。アップテンポなエレクトロ・ポップで彼の真骨頂のノイズや/インダストリアルな要素はありません。後にテンポを抑えてアレンジも変えた「Rebuildとしてシングルカットもされてます。この曲があまり商業的反響が得られなかったかったことからか藤井氏はよりストイックな路線にシフトしていきます。

曲はポップで爽やかなのに歌詞は広島に原爆を投下した米軍のB-29爆撃機エノラ・ゲイ」について歌われていてまた深いです。ギターが入ってアレンジをもっと派手にした「2nd mix」もあります。

M07. TWIST OF LOVE -Acoustic Version- (森岡賢)

サビのハーモニーが美しいシングル曲。シングルバージョンと違いアコースティックバージョンということでアコースティックギターがフィーチャーされてます。

この曲はカラオケにも入っているのでたまに行くカラオケで歌います(^^ゞ

M08. FAITH IS A 藤井麻輝

藤井さんの真骨頂ともいえるメタルパーカッションとシンセベースが印象的なアップテンポなナンバー。ライブでの演奏もカッコ良かったです。

M09. COMA BABY 藤井麻輝

民族的な音階とフレットレスベースをフィーチャーした曲。イギリスのバンドJAPANからの影響かな。

M10. AFTER IMAGES (森岡賢)

ラストは壮大なバラード。ピアノと歌メインで静かに始まって徐々にリズムが入って盛り上がって最後はストリングスや女性オペラヴォーカルまで入ってアルバムを締めくくります。「EARTH BORN」が緊張感ある曲だったのに対してこちらはやさしく包みこんでくれるような曲です。

再録音ベストにも収録されてますが刷り込みというか最初に見たものを親と思ったのか個人的にはこちらのバージョンの方が好きですね♪

当時の未発表曲

NEEDLE 藤井麻輝

MINISTRYなどのインダストリアル・ロックメインを思わせるギターリフが印象的なライブで盛り上がるハードなナンバー。ディストーションのヴォーカルは藤井さんかな。再録音ベストは遠藤さんのヴォーカルで歪んだドラムとギターでより攻撃的になってます。

 

 

My MIDI Module of Life

最近の制作はパソコンで色んな音源を立ち上げて作曲できるようになりましたが昔は鍵盤のないラックのモジュールで制作するのが定番でした。

ラックにお気に入りのシンセモジュール詰め込んで悦に浸ってたりwでも複数台使ってると発熱がすごくて部屋のクーラーとか効かなかったり(^^;

 

ラックのシンセやサンプラーは結構使ってきたけど今回は僕が使ってきたMIDIマルチ音源系モジュールに絞って書きたいと思います。

マルチ音源とは音作りというよりはプリセットの音を沢山使って曲作りする音源のことでKORG M1以降のサンプリング音源(PCM音源)の普及と共に80年代後半~2000年くらいの間にデモ音源やプリプロ音源の定番機材でした。

 

KORG 05/W

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最初に買った音源モジュール。

歴史的名機KORG M1のハーフラック・モジュール。ちっこいわりに音が良かった気がします。複数の音を組み合わせるコンビモードは結構ゴージャスな音が出たような気がします。

KORGのシンセは好きだけど、どうもコンビモード苦手。。。

 

ただこのサイズですので本体でのエディットがかなり困難でした。今みたいにパソコンとかエディターソフトって感じでもなかったし。(実際あったのかなぁ?)

 

Roland JV-1080

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打ち込みをある程度おぼえて「ちゃんと音楽制作しょう!」って思った時に買った音源モジュール。10万以上したなぁ。

でもその甲斐あって音はすごく良くて16パート使えてエディットも階層が練られてて音作りの幅も広いし最高でした。

世界的に大ヒットしたモジュールでプロのラックにも必ずセットされてましたね。

このシリーズがヒットした要因はボードを追加することで手軽に音源が増やせるってことだと思います。実際僕もテクノとヴィンテージのボード積んでました。

個人的にも一番使ったラック・モジュールなので思い入れアリアリです。

 

現在はこの後継機のJV-2080にワールドとアジアの音源ボード積んで使っています。容量は今のソフト音源に比べたら塵みたいな量だけど、、、やっぱり音楽って容量とかじゃないんですね、90年代の音が欲しい時には確実に良い仕事してくれます。

 

Quasimidi QUASAR

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今はなきドイツのQuasimidi社の音源モジュール

海外でマルチ音源のモジュールって珍しかったと思います。RolandのJVシリーズが大ヒットしたからそのへんも意識してたのかな?

ドイツということもあってかテクノの神様クラフトワークが使ってたり、「M.A.S.S.(Multi-Algorithm-Sound-Synthesis)」という音源でFM加算合成もできる!みたいなふれこみでしたが実際はPCM音源でそういう波形があるってだけの感じでした(^^;

これが実際に出来ればすごいシンセだったんですが。。。

音源としてはいわゆるいろんな音が出せるPCMシンセなんですが僕の使い込みが甘かったのか、これといって個性も感じられず希少価値は非常に高いんですが、、、結局シンセとしてはオケに埋もれちゃう感じだし、そこまで使わずに手放しました。

やっぱり国産機のジャパニーズ・クオリティはスゲーってことですね(^^ゞ

 

KORG TRITON

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ラックではないんですがこれも音源/ライブ用シンセとしてよく使ってました。

ワークステーションシンセの雄、KORGM1以降90年代に大ヒットさせたシンセサイザー

KORGらしい派手な出音でピアノやシンセパッドなんか好きでよく使ってました♪やっぱりKORGのコンビモードは苦手ですが(^^;サンプリングもオマケ程度じゃなくてちゃんと使用に耐えうるものでしたし。

TRITONはポップ系からロック、テクノ/クラブミュージックまであらゆるジャンルのクリーターに支持されてました。特にヒップホップのトラックメーカーにとってはAKAI ProfessionalのMPCと並んで大人気だったようです。

このシンセも拡張ボードを追加することで手軽に音源を増やせました。

僕はヴィンテージのボードとフィジカルモデリングのMOSS音源を積んでました。

 

制作にライブに15年くらい使ってましたが、使用頻度が減ったのとボタンの調子が悪くなって昨年泣く泣く手放しちゃいました。

今は同等の音源を積んでるKARMAを使っています。

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KARMAもTRITONの音源詰めるのでTRITONに積んでいたボードをそのまま積んでます。現在ならデータで済むんでしょうけど中空けてボードを自分で付けるタイプです(^^ゞ

 

VSTソフトシンセが音楽制作に普及してくるとラックシンセやサンプラーはその領域を奪われてしまいました。今ラックのマルチ音源ってRolandINTEGRA-7くらいで殆どないですしね。

逆にソフトでマルチの音源って少ないですね。国内だとKORGM1RolandSound Canvasくらいかな。

海外だとカナダのre-FX社のNexsusが強いですね。派手な出音とやっぱり拡張出来るライブラリが人気みたいですね。←欲しいっ!