0からのシンセサイザーのくりっぱーこと
Kurippertronixxx@Kurippersynthです。
“新世代ウェーブテーブル・シンセサイザー”
KORG modwave
のくりっぱーチャンネル連動ブログです♪
その9 〜Kaoss Physics編~|初心者でもわかる 解説
今回はKORG modwaveの
【Kaoss Physics】基本的な操作についての解説です。
【Kaoss Physics】 とは基本的にはKaoss PadでおなじみのいわゆるXYコントロールをベースにした機能です。
X軸:横の動き
Y軸:縦の動き
で各パラメーターをコントロールします。
通常のXYコントロールも可能ですがさらにKaoss Physicsは画面上にボールが転がる感じをモデリングしてサウンドを変化させることが可能です。
ボールは、X-Y パッド上で指をフリックすることでスタートさせること〔Gate+Damper〕や〔KAOSS〕ボタン などのトリガー・ソースを使ってボールを自動的に撃ち出すこともできます。
ボールの位置は、指でX-Y パッドをなぞることで直接的にコントロールできます。ボールの動きに応じてモジュレーション信号が生成され、その信号でモジュレーション可能なパラメーターをコントロールします。
わりあても他のモジュレーション機能と同様に
【MOD】+【PAGE】ボタンでソースの選択としてKaoss Physicsのパラメーターを選択します。
〔Kaoss X〕
ボールの水平軸上(横)の動きです。中心から左側がネガティブ(マイナスの値)、0 は中心、中心から右側がポジティブ(プラスの値)です。
〔Kaoss Y〕
ボールの垂直軸上(縦)の動きです。中心から下がネガティブ(マイナスの値)、0 は中心、中心から上がポジティブ(プラスの値)です。
〔Kaoss Distance〕
中心からの距離で、常にポジティブ(プラスの値)の値です。
〔Kaoss Angle〕
平面には凹凸があり、その高さや深さを設定することができ、色々な形のスロープも選択できます。平面の摩擦も設定できますので、ボールの転がりを徐々に遅くすることができます。平面を囲む4 辺に壁があり、ボールが壁に当たるとバウンドします。このとき、柔らかい壁面に当たったときのように、はね返るボールの動きを遅くすることもできますし、ピンボール・マシンのバンパーのように、ボールをさらに勢いづけることもできます。壁を完全に取り払うこともできますので、往年のアーケード・ゲームのように一方の辺からフレーム・アウトすると、反対側からボールが現れるということもできます。
〔Physics〕をOffにすると通常のカオスパッドのようなXYコントロールのみになります。
〔Hold Position〕をOnにするとXYの位置を固定します。
【Kaoss Physics】〔P:〕でKaoss Physicsのプリセットを選択できます。
【Kaoss Physics】
〔Tilt X / Y〕
横(X)縦(Y)のボールの転がる範囲を-100~+100で設定します。
〔Friction〕
ボールが転がるときのエネルギーを吸収する値を設定します(マニアック!笑)
〔Time〕
ボールが減速する時間を設定します。
【Kaoss Physics Details】
〔Bump Height〕
+の値にすると凸の形状をモデリングしてボールが外側に動きます。
ーの値にすると凹の形状をモデリングしてボールが内側に動きます。
〔Kaoss Angle〕で変調するときこの値が関係してくる感じですね。
〔Position X / Y〕
バンプの位置を設定します。
〔SHAPE〕GRAVITY / LINER / SHALLOW / STEEP
端から中心部までのスロープ形状を選択します。
〔LAG TIME〕
値を上げると動きがゆっくりになります。
〔EDGE BOUNCE〕
Offにするとボールがバウンドせずに反対側から出てきます。
〔TOP / BOTTOM / LEFT / RIGHT〕
〔EDGE BOUNCE〕がONのとき上下左右のボールが跳ね返る強さを設定します。
Kaoss Physicsで一定の効果を作る
Kaoss Physics はそれ自体が非常に面白い機能ですが、これを使って次のような再現性の高い、一定のモジュレーション・エフェクトを作ることができます。
• 中心部分に-の値のBump Height を設定することで、モジュレーションの値は最終的には常に0 になります。
• +の値のBump Height を側面やコーナー部分に設定することで、モジュレーションの値をその位置から遠のかせることができます。
• 一方のBounce を+の値に、他方のBounce を-の値というように、上下や左右で正反対の設定をすることで、ボールを加速させたり減速させたりすることができます。
• Friction を使ってボールを徐々に減速させることで、動きを自然に遅くなっていくようにすることができます。
• Tilt、Friction、Bump Height、Bounce を相反する動きになるように、あるいはそれぞれを補完するような動きになるように組み合わせることもできます。
Kaoss PhysicsとMIDI
X-Y パッド上で指をスライドすると、XとY のポジション情報はそれぞれMIDI CC18 とCC19 で送信されます。
指をX-Y パッドから離すとボールが「撃ち出さ」れ、そのときのポジション、方向、ベロシティが高精度のMIDI システム・エクスクルーシブ・メッセージで送信されます。
【Kaoss Physics Launch】ではフリックしないでボールを打ち出す設定をします。
【Kaoss Physics Launch】
〔START POSITION X / Y〕
ボールを打ち出す横縦の位置を設定します。
〔DIRECTION〕
ボールを打ち出す角度を設定します。
〔FORCE〕
ボールを打ち出す強さを設定します。
〔TRIGGER SOURCE〕
ボールを打ち出す方法を選択します。動画では
Controllers▷Kaoss Btn CC12を選択したので
【KAOSS】ボタンを押すごとに設定した場所からボールが打ち出されます。
【Kaoss Physics】はボールの動きでアルペジーターの〔Resolution〕(音符)を変調可能です。
…まぁその機能うれしいのくりっぱーぐらいで誰得だよってこともなくもないですが(^^;
【MOD】+【PAGE+】で
Dest:Resolution
Src:Kaoss X / Y
に設定してアルペジエーターを演奏しながらボールをフリック / 自動打ち出しすればボールの動きに合わせてアルペジエーターの音符が変化します。
その9 〜Kaoss Physics編~|初心者でもわかる 解説
今回はわかりやすくフィルター(X軸) / レゾナンス(Y軸)を中心にやりましたが、
modwaveはウェーヴテーブルシンセサイザーなので波形のパラメーターをわりあてしても面白そうですね。
Kaoss Physicsは通常のXY軸のコントロールも可能なのであらゆるパラメーターをわりあてしてパッド上で指を動かしてカオスパッドのように変化させることも可能ですし、今回やったようにボールのモデリングの動きで変則的な変化も可能です。
横縦の平面のみならず〔Kaoss Angle〕で奥行きまでの要素取り込むの面白いですね!
今回動画ではやりませんでしたがLFOの変調のスピードやエフェクト、モーションシーケンスのパラメーターとかわりあてするとかなりトリッキーなことできそうですよね^^
…もはやシンセサイズとか音楽的な感じではありませんが笑
こういった唯一無二でユニークな機能よく思いつくもんだなぁと感心してしまいました。
KORG modwaveの双子シンセのwavestateはジョイスティックを使ったベクトルXYコントロールが可能でしたが、
modwaveではカオスパッドのXYコントロールを発展させた【Kaoss Physics】ということで
2つともXYコントロールでありながら「似て非なるもの」であって面白いですね!^^
XYパッドのコントロールといえば1997年に発売されたKORGさんのモデリングシンセサイザーでZ1というシンセサイザーにXYパッドが搭載されていました。
その後1999年にXYコントロールのエフェクターとしてKaoss Padが生まれてKP2、KP3、QUAD、miniなどシリーズ化して大ヒットしました。
いまやDJやマシンライブ定番ですが、ヴォーカルやギターに使う人もいますね♪
Kaoss Physicsはmodwaveだけの機能ですがハードウェアのKAOSS Padの後継機として単体のエフェクターとして製品化したら面白いかもしれないですね!