0からのシンセサイザーのくりっぱーことKurippertronixxx@Kurippersynthです。
アドバンスド・ハイブリッド・シンセサイザーXfer RECORDS SERUM 2の動画連動ブログです。

今回はXfer RECORDS SERUM 2のARP機能の基本的な操作についての解説です。

【ARP】アルペジエーターとは押さえたノートを自動的に順番にバラして演奏してくれる機能です。たとえば、Cメジャーコード(C, E, Gの3つの音)を弾くと、アルペジエーターが「C→E→G→C→E→G…」のように、音を一つずつ順番に鳴らしてくれます。これによって、リズミカルで動きのあるフレーズを簡単に作れます。
Serum 2の【ARP】アルペジエーターモジュールは、コードやノートを自動で分解し、リズミカルでダイナミックなフレーズを生成する強力なツールです。直感的なインターフェースと視覚的なフィードバックを活用し、CLIPと同様にランダマイズ、プロバビリティ(確率)、スケーリングといった機能を組み合わせて、創造的なシーケンスをかんたんに作れます。
Serum 2のARPモジュールは、複数のパネルで構成され、各パネルがアルペジエーターのさまざまな機能を制御します。CLIPと同様に1つのARPバンクに最大12のアルペジエーターを保存でき、進化するリズムパターンや音楽的なフレーズを自由にデザイン可能。視覚的なピアノロールや設定画面で、変更がリアルタイムで確認できるため、初心者でも直感的に操作できます。

-GLOBAL-
アルペジエーター全体に影響する設定を行います。
[LAUNCH QUANT]
アルペジエーターの開始タイミングをDAWのテンポに同期します。
[EDIT ALL]
すべてのARPスロットに同じ設定を適用するかを選択します。
[PRESET]
アルペジエータープリセットのロード、新しいARPバンクの作成、ユーザー定義プリセットの保存をします。
-PATTERN-
[SHAPE]
アルペジエーターの種類を選択します。
・Up(アップ)
アルペジオのノートをSHIFT設定で指定したピッチ分トランスポーズ(音程変更)し、RANGE設定で指定した回数だけ繰り返します。
例: Cメジャー(C, E, G)を押さえた場合、C→E→Gを順に鳴らし、SHIFTで1オクターブ上げて繰り返す。
・Down(ダウン)
アルペジオのノートをSHIFT設定で指定したピッチ分トランスポーズし、RANGE設定で指定した回数だけ繰り返します。ただし、音は高い音から低い音へ(逆順で)再生されます。
例: CメジャーならG→E→Cの順に鳴る。
・Up/Down(アップ/ダウン)
アルペジオのノートをSHIFT設定でトランスポーズし、RANGE設定の回数繰り返した後、すぐに逆方向(逆のトランスポーズ)で同じ設定を繰り返します。
例: C→E→G(上昇)→G→E→C(下降)を繰り返す。
・Down/Up(ダウン/アップ)
アルペジオのノートをSHIFT設定でトランスポーズし、RANGE設定の回数繰り返した後、すぐに逆方向(上昇)で同じ設定を繰り返します。
例: G→E→C(下降)→C→E→G(上昇)を繰り返す。
・Up+Down(アップ+ダウン)
アルペジオのノートをSHIFT設定でトランスポーズし、RANGE設定の回数繰り返した後、逆方向で最初から再生を再スタートします。
例: C→E→G(上昇)→G→E→C(下降)→C→E→G(再スタート)。
・Down+Up(ダウン+アップ)
アルペジオのノートをSHIFT設定でトランスポーズし、RANGE設定の回数繰り返した後、逆方向(上昇)で最初から再生を再スタートします。
例: G→E→C(下降)→C→E→G(上昇)→G→E→C(再スタート)。
・Thumb Up(サムアップ)
アルペジオのノートをSHIFT設定でトランスポーズし、各トランスポーズの後に元のアルペジオを再生し、さらに次のトランスポーズを再生します。これをRANGE設定の回数繰り返します。
例: C→E→G(オリジナル)→C+12→E+12→G+12(トランスポーズ)→C→E→G(オリジナル)。
・Thumb UD(サムアップ/ダウン)
Thumb Upと同様に、アルペジオのノートをSHIFT設定でトランスポーズし、各トランスポーズ後に元のアルペジオを再生。これをRANGE設定の回数繰り返した後、すぐに逆方向(逆トランスポーズ)で同じ設定を繰り返します。
例: 上昇パターン後、下降パターン(G+12→E+12→C+12→G→E→C)を再生。
・Pinky Up(ピンキーアップ)
アルペジオのノートをSHIFTとRANGE設定で指定された最大値までトランスポーズし、各トランスポーズ後に最大トランスポーズのアルペジオを再生し、続けて元のアルペジオをトランスポーズして再生します。これをRANGE設定の回数繰り返します。
例: C→E→G(最大トランスポーズ)→C→E→G(オリジナル)。
・Pinky UD(ピンキーアップ/ダウン)
Pinky Upと同様に、最大トランスポーズ後に元のアルペジオを再生し、RANGE設定の回数繰り返した後、すぐに逆方向(逆トランスポーズ)で同じ設定を繰り返します。
例: 上昇パターン後、下降パターンで再生。
・Converge(コンバージ)
アルペジオのノートをSHIFTとRANGE設定で指定された最大値までトランスポーズし、各トランスポーズ後に元のアルペジオから最大値までの範囲を収束(徐々に近づける)するように再生します。
例: トランスポーズが最大からオリジナルに近づくパターン。
・Diverge(ダイバージ)
アルペジオのノートをSHIFT設定でトランスポーズし、各トランスポーズ後にさらに離れる(拡散する)ように再生します。
例: トランスポーズが徐々に大きくなるパターン。
・Con+Diverge(コンバージ+ダイバージ)
まずConvergeパターンでアルペジオを再生し、その後Divergeパターンで再生します。
例: 収束パターンから拡散パターンへ移行。
・Chord(コード)
アルペジオではなく、SHIFTとRANGE設定を使ってコード(和音)をそのまま再生します。
例: Cメジャー(C, E, G)を同時に鳴らす。
・Random(ランダム)
アルペジオのノートをSHIFT設定に基づいてランダムにトランスポーズし、RANGE設定の回数繰り返します。
・Rnd.NoDup(ランダム・ノーデュプリケート)
アルペジオのノートをSHIFT設定に基づいてランダムにトランスポーズしますが、同じノートが連続しない(重複しない)ように再生します。RANGE設定の回数繰り返します。
・Rnd.Drift(ランダム・ドリフト)
アルペジオのノートをSHIFT設定に基づいてランダムにトランスポーズしますが、特定の方向に「ドリフト(漂う)」する傾向を持たせます。RANGE設定の回数繰り返します。
・Rnd.Once(ランダム・ワンス)
アルペジオのノートをSHIFT設定に基づいて一度だけランダムにトランスポーズし、そのパターンをRANGE設定の回数繰り返します。

[RATE]
テンポに同期した音符かヘルツでアルペジエーターのスピードをコントロールします。3連符や付点の設定も可能です。

-TRANCEPOSE-
移調やオクターブシフトの設定をします。
[SHIFT]
移調の値を設定します。
[RANGE]
移調の幅を設定します。
-PLAYBACK-
[LATCH]
LATCHボタンをクリックすると、キーを押し続けなくてもノートが再生され続けます。ボタンが有効になるとハイライトされます。
補足: ライブパフォーマンスやコードを保持しながら他の操作をしたい場合に便利です。
[THRU]
THRUボタンをクリックすると、入力されたノートをそのまま出力に通過させます(物理的なMIDIデバイスの「MIDI THRU」ポートと概念的に似ています)。
無効時:アルペジエーターが入力ノートを「消費」し、アルペジオのみが出力されます。
有効時:入力ノートがそのまま通過し、アルペジオと一緒に再生されます。
補足: たとえば、元のコードとアルペジオを同時に鳴らしたい場合に役立ちます。
[OFFSET]
アルペジエーターノートの再生順序をずらします。たとえば、C→E→Gの順をE→G→Cに変更可能。
[REPEATS]
パターンとトランスポーズ範囲の繰り返し回数を設定します。
[GATE]
アルペジエーターノートの長さを、RATE(テンポ)設定に対して相対的に設定します。短いゲートはスタッカート風、長いゲートは滑らかな音に。
[CHANCE]
ノートが再生される確率(プロバビリティ)を設定します。たとえば、50%に設定すると、ノートが半分の確率で再生されます。
ノブを右クリックしてメニューから「Pre」を選択すると、CHANCE設定がSHAPEパターンの進行前に適用され、次のノートが常にシーケンスの次のノートになるように保証できます。
[MIDI CC64]
アルペジエーターが有効な場合、Serumに送られるMIDI CC64(サステインペダル)メッセージは、通常のノートサステインではなくLATCH機能を制御します。

-RETRIGGER-
[LAUNCH]
LAUNCH設定を有効にすると、スロットが起動されたときにアルペジオがリトリガーされます。
[RATE]
RATE設定を有効にし、フィールドをクリックしてドラッグすることで適切なリトリガー間隔を設定します。このレートは、アルペジエーターがリトリガーされるタイミングを決定します。
例: 1/4拍子に設定すると、4拍ごとにパターンがリスタート。
[NOTE]
NOTE設定を有効にすると、新しい入力ノートが受信されるたびにアルペジオがリトリガーされます。
[FIRST]
FIRST設定を有効にすると、コードの最初の入力ノートでのみリトリガーが発生します(コード内の持続的なノートではリトリガーされません)。
補足: コードを押さえ続けている場合に、最初のノートだけでリトリガーしたいときに便利です。
[VELOCITY]
VELOCITY設定を有効にすると、このセクションのベロシティ設定がアクティブになります。
[RETRIG]
RETRIG設定を有効にすると、リトリガー機能が起動するたびにベロシティの減衰値がリセットされ、入力されたベロシティに戻ります(リトリガー設定については上記を参照)。
[DECAY]
DECAYノブをクリックしてドラッグし、ベロシティが変化する速度を設定します。
例: 速いDECAYはベロシティが急速に変化、遅いDECAYはゆっくり変化。
[TARGET]
TARGETノブをクリックしてドラッグし、DECAY設定が向かう目標ベロシティを設定します。
※TARGETを低い値に設定すると、ベロシティが徐々に弱まり、フェードアウトのような効果になります。
Serum2は高度なパターンエディターを使用して、オリジナルのアルペジエーターを設定できます。
[SHAPE]フィールドでを選択し、ボタンをクリックします。
ボタンがハイライトされ、インターフェイスの上半分にアルペジエーターエディターが表示されます。
左パネルでパターンの設定を指定し、右パネルでアルペジエーターのグラフを調整します。

[LENGTH]
パターンの長さを小節(bars)、拍(beats)、16分音符(16th notes)で設定します。
[MODE]
プレイヘッド(再生位置)の動き方を指定します。
・Normal:パターンを順番に再生します。
・Reverse:パターンを逆順に再生します。
・Pendulum:パターンを順方向と逆方向で往復再生します。
・Random:ランダムな順序で再生します。
・Rand Start:ランダムな開始位置から再生します。
・Rand End:ランダムな終了位置で再生します。
・One Shot:パターンを一度だけ再生します。
・Static:固定された位置で再生します。
[TIME]
ランダム再生モード(Random、Rand Start、Rand Endなど)で、プレイヘッドが新しいランダムな位置にジャンプする頻度を設定します。16分音符から4小節までの範囲で選択可能です。

[STEP MODE]
各ステップの再生方法を指定します。
・Normal:通常のステップ再生します。
・New Only:新しい入力ノートがある場合のみステップを再生します。
・Chord:押さえているすべてのノートを各ステップでコードとして再生します(ボイシングはステップ番号に基づく)。
・Chord (new):新しい入力ノートがステップのトリガーと同時に受信された場合のみコードを再生します。
※「New」モードは、入力ノートとステップのトリガーが完全に一致する場合にのみステップをトリガーします。

[WRAP]
押さえているキーの数よりも少ない、または多いパターンステップをどのように処理するかを指定します。
Normal:アルペジエーターのパターンをそのまま再生する標準的な設定です。
Phantom:特定の音符を「聞こえない」ようにしつつ、パターンの進行には影響を与える特殊なモードです。
Muted:指定した音符を完全にミュート(無音)にするモードです。Phantomとは異なり、Mutedに設定された音符は再生されず、タイミングやシーケンスにも影響を与えません。パターンの中でそのステップがスキップされるような効果があります。
[PITCH]
ラップ時のトランスポーズ(音程の変更)を設定します。0~24半音の範囲で調整可能。
[RANGE]
押さえているキーの数よりも少ない、または多いパターンステップをどのようにトランスポーズ(音程変更)するかを指定します。
グラフエディターの基本操作
・グリッドサイズの変更
グリッドサイズをクリックし、上下にドラッグすることでデフォルトのグリッド設定を変更できます。
・グリッドのスクロール
ステップエリアをクリックしてドラッグすることで、グリッドを上下にスクロールできます。また、マウスホイールを使って上下にスクロールすることも可能です。
・ノートイベントの追加
アルペジオグラフ内でダブルクリックすると、新しいノートイベントを追加できます。追加した最新のノートイベントはオレンジ色で表示されます。
・ピアノロールとの類似性
アルペジオグラフは、SerumのCLIPモジュールのピアノロールと非常に似た機能を提供します。たとえば:
・グラフ上をクリックしてドラッグすると、ノートイベントを選択できます。
・選択したノートイベントをコピー/カットして、グラフ内の別のエリアにペースト可能。
・ノートイベントを選択して、グラフ内で自由に移動できます。
[Accent]
対応するノートイベントにアクセント(強調)を追加できます。
[Strum]
対応するエリアにストラミング(弦を弾くような効果)を追加できます。
・オートメーションレーン
時間経過に伴うさまざまなパラメータを制御できます。たとえば、ベロシティやピッチ、モジュレーションなどを動的に変化させられます。
・コンテキストメニューの表示
アルペジオグリッド内のさまざまな場所で右クリックすると、その要素に対応したコンテキストメニューが表示されます。これを使って、追加の編集オプションにアクセスできます。


クリップと同様にベロシティ、チャンス(確率)、ランダマイズなどオートメーションによるコントロールが可能です。

クリップと同様に[MIDI OUT]をONにするとホストDAWのMIDIトラック等にMIDI出力可能なので他のプラグイン音源やコンピューターとつないだハードウェアシンセなども鳴らす事が可能です。
Serum 2のアルペジエーターは、単なる「コード分解ツール」を超えた、クリエイティブなパターンジェネレーターとしての可能性を秘めています。クリップと同様にランダマイズ、プロバビリティ、スケーリングといった機能も使えます。
Serum 2 のクリップエディターでは、DAWのピアノロールと同様にノートやリズムを自由に打ち込んでシーケンスを作成できます。一方、アルペジエーターは、押さえたキー(コードや単音)から自動的にリズミカルなフレーズやパターンをリアルタイムで生成します。これにより、クリップが手動で細かく設計するのに対し、アルペジエーターは直感的な入力から即座に動的なフレーズを生み出す点が特徴です。
今日のSERUM練。
— くりっぱー@0からのシンセサイザー (@Kurippersynth) 2025年6月6日
シーケンサーのランダマイズに聴こえるだろ。アルペジエーターなんだぜ。それで。
シンセとして買ったつもりだけどクリップとアルペジエーター機能だけでも導入した価値ある😁(当社比)#XferRECORDS#SERUM#DAW#DTM pic.twitter.com/cMnLc39mgW
Serum 2のアルペジエーターは、コード発音、ランダマイズ、プロバビリティ、スケーリング、12個のパターン設定、MIDI出力といった機能で、単なるアルペジエーターを超えた究極のパターンジェネレーターです。クリップ機能との組み合わせで、DTMでの作曲が劇的に楽しく、効率的になります。テクノやEDMはもちろん、ポップスやアンビエント、シネマティックな音楽まで、どんなジャンルでもクリエイティブなアイデアを形にできるツールです。
くりっぱーがずっと探していた「しっくりくるパターンジェネレーター」は、Serum 2の中にありました!これからアルペジエーターとクリップ機能をガンガン使い込んで制作に活用していこうと思います!^^
XFER RECORDS SERUM 2 くりっぱーチャンネル 再生リスト
ハードウェア / アプリ等の一発録音のマシンライブ演奏を公開しています。
SONICWARE Lofi-12 XTをメインにしたマシンライブ名義のライブ動画です。





