0からのシンセサイザー のくりっぱーこと
Kurippertronixxx@Kurippersynthです。
KORGさんのガジェット・シンセサイザーの代名詞volcaシリーズの「KORG volca FM」の動画連動ブログです。
KORG volca FMは3ボイスのポリフォニックFM音源で6オペレーター32アルゴリズムでサウンド作りをします。
またFMシンセサイザーの金字塔YAMAHA DX7の音色フォーマットのSYS-EX/SYXファイルを取り込んで活用することも可能です。
今回はKORG volca fmの基礎的な操作についての解説です。
FM音源の「FM」とはFrequency Modulation(フリケンシーモジュレーション)のことで直訳すると周波数(フリケンシー)を変調(揺らす、くすぐる)というイメージです。
FMシンセシスでは「揺らす」とか「くすぐる」って表現をしたりします。
volca FMでは6つの【オペレーター】(アナログシンセサイザーでいうオシレーター)という波形を変調して音作りしていきます。
サウンドのエディットは【- OPERATOR +】ボタンでオペレーター1~6もしくは全体を選択して【EDIT】▷【PROGRAM / PARAM】のつまみでパラメーターを選択して【VELOCITY】のスライダーで値をコントロールします。
パラメーターをひとつひとつ呼び出してエディットする感じなので直感的ではないですが(^^;…まぁvolcaの構造上仕方ないですね。
その分このサイズでも本格的なFMシンセサイザーの音作りを楽しめます。
変調される側のオペレーターを【キャリア】
変調する側のオペレーターを【モジュレーター】
【キャリア】【モジュレーター】の組み合わせ / 並べ方を【アルゴリズム】といいます。
volca FMでは32のアルゴリズムを選択可能です。
同じオペレーターの設定でもアルゴリズム次第でサウンドが全然変わったりします。
またフィードバックするオペレーターがどこにあるのかでも変わってきます。
※付属のエディット / アルゴリズムのリストはKORGさんのvolca fmのページでも公開されています。
【TRANSPOSE】
volca fmのピッチをコントロールします。
【VELOCITY / VALUE】
強弱による音色変化をコントロールします。
EDITモードではパラメーターのコントロールをします。
【MODULATOR / CARRIER】
〔ATTACK〕音の立ち上がりまでの時間をコントロールします。値を上げるほど立ち上がりが遅くなります。
〔DECAY〕アタックタイムの後の音の減衰をコントロールします。
※アナログシンセサイザーではATTACKやDECAYは音量やフィルターの時間的変化のカーヴという感じで使いますが、FMの場合はキャリアーとモジュレーターの時間的変化によって変調されてサウンドも大きく変わります。
オペレーターのエディットは【EDIT】ボタンを押して
【◁ OCTAVE ▷】で各EDITを選択します。
【1~6】オペレーター【A】サウンド全体【PARAM】のつまみでパラメーターを選択します。
FMとはまた別で低い周波数でパラメーターを変調する【LFO】は
〔RATE〕周期(スピード)
〔DEPTH〕変調の深さ
をつまみでリアルタイムにコントロール可能です。
LFO波形はエディットモードの【A】で選択可能です。
サウンド作りの流れは
【EDIT】▷オペレーターの選択 ▷【PARAM】パラメーターの選択
【VELOCITY / VALUE】のスライダーで値のコントロール
という感じです。
【FUNC】を押して〔5 ARP ON / OFF〕でアルペジエーターをオンにします。
【ARP】
〔TYPE〕アルペジエーターの演奏の種類を選択します。
〔DIV〕アルペジエーターの演奏の音符割りを選択します。
【〇】+【 ▷】でそのままステップシーケンサーにアルペジエーターの演奏を記録することも可能です。
【MEMORY】+1~16で各パターンを選択可能です。
「ファンクションを制する者はvolcaを制す」といっても過言ではないくらい笑
volcaシリーズでは【FUNC】は重要です。
【FUNC + 1~3 VOICE MODE】発音の選択をします。
〔1 POLY〕3音ポリフォニックで発音します。
〔2 MONO〕単音で発音します。
〔3 UNISON〕3音重ねて単音で発音します。
【FUNC + 4 CHORUS】コーラス効果を掛けて発音します。
【FUNC + 5】はアルペジエーターのオン / オフ
【FUNC + 6 ~ 8 TEMPO】
〔6〕一倍のテンポで再生します。
〔7〕半分のテンポで再生します。
〔8〕1 / 4のテンポで再生します。
【FUNC + 9】メトロノームをオンにします。
【FUNC + 10】「WARP ACTIVE STEP」機能をオンにします。
ACTIVE STEP機能は選択したステップをオン / オフして変則的なシーケンスを演奏可能な機能で【FUNC】+【▷】でオンにします。
【FUNC + 11】
〔TRANSPS / NOTE〕トランスポーズのスライダーをオクターヴ / 半音のコントロールに切り替えます。
【FUNC + 12~14 MOTION SEQUENCE】volcaシリーズでおなじみのつまみの動きを記録するモーションシーケンス機能です。
モーションシーケンスの記録方法も通常のシーケンスと同様に【〇】+【 ▷】で各つまみを動かして記録します。
〔12 ON / OFF〕モーションシーケンスのオンオフをします。
〔13 SMOOTH〕モーションシーケンスが滑らかに変化します。
〔14 CLEAR〕記録したモーションシーケンスを削除します。
【FUNC + 15 / 16 CLEAR】
〔15 ACT STEP〕アクティヴステップを削除します。
〔16 ALL〕すべてのシーケンスを削除します。
サイズはvolcaですが中身は6オペレーターのFMシンセサイザーなのでアコースティックでもエレピでもないFMならではのエレクトリックピアノ、硬質なシンセベース、ひんやりした透明感のあるパッドサウンドなど本格的なFMサウンドを楽しむことができます。
くりっぱーチャンネルでは以前YAMAHAさんの最新のDXシンセサイザーreface DXを取り上げました。
marronfieldsproduction.hatenablog.com
reface DXは4オペレーター / 12アルゴリズムでDX 7のデータの互換性もありません。
なので実質6オペレーター / 32アルゴリズムのvolca FMの方がDX 7のスタイルを踏襲した感じですね。
reface DXは4つのオペレーターではありますが4つのオペレーターすべてにフィードバックがついているのでまた違う次元の音作りが可能です。
ハードウェア / アプリ等の一発録音のマシンライブ演奏を公開しています。
見にきていただけるとうれしいです^^